原理的にプレスDVD(=DVD-ROM)とDVD-Rは、記録信号の品質が異なるため、DVD-Rを再生するには「DVD-R再生に対応した」DVDプレーヤーが必要です。
プレスDVD(DVD-ROM)の記録方法
プレスDVDはカッティングマシンでカッティングされた原盤(=スタンパー)をもとにプレスされます。プレスされたDVDディスクには「ピット」というくぼみが成形されています。
DVDプレーヤーはこの「ピット」にレーザ光を当て、反射光から信号を読み取ります。「ピット」は高精度の原盤をもとに精密に成形してプレスされているので非常に高い精度をもっており、再生される信号も高品質のものです。
市販のDVDビデオソフトは、このようにプレスされたDVDです。
DVD-Rの記録方法
DVD-Rは色素膜にレーザー光を当て、その熱によって「マーク」という模様をつくります。つまり、DVD-Rの信号面は、プレスDVDの「ピット」ような、物理的な凹凸はなく、あくまで平面の模様にすぎません。
DVD-Rにレーザー光をあてたときの反射光は「ピット」のそれと良く似たものではあるのですが、プレスDVD「ピット」とは、物理的な構造が異なるため、再生信号の品質もDVDとは異なります。このことから、DVD-R再生に対応していない DVDプレーヤー(PS2など)の中には「マーク」からの信号を読み取りにくく、再生ができなかったり、ブロックノイズがでるなどの不具合が起こる場合があります。
ただし、プリプレスチェック用のDVD-R 「for Autorhing」は、プレスDVDに近い構造を持っているため、互換性もそれに沿ったものとなります。
最近のDVD-Rも精度が高いものが多く、データの保存としては特に問題ありません。しかしDVD-videoの再生互換となると、やはり若干心配な商品もあるようです。
DVDの耐久年数について
意外かもしれませんがプレスしたDVDとDVD-RではDVD-Rの方が耐久年数が長いようです。
プレスしたはDVDは15年~程度、DVD-Rはそれ以上持つようです。
どちらの保存が耐久年数として長いということは微妙ですが、保存状態に大きく影響されます。両者メディアとも高温多湿直射日光などは厳禁です。
長期間データの保管が必要な場合は多重化と定期的な見直しが必要です。