ドルビーデジタル、DTSともに音声圧縮の技術の一つで、音声データをDVDに記録する際にデータ信号を圧縮し再生時にデコーダ(圧縮したものを元に戻す)を使い再生する技術です。
ドルビーデジタル
米ドルビーラボラトリーズが開発した音声圧縮技術で、高圧縮(リニアPCMに比べ約1/10)で5.1チャンネルを実現します。非可逆圧縮なので元のデータから若干劣化します。
DVD標準音声なのでほとんどのプレーヤーで信号出力ができます。
DTS (digital theater system)
DTSとは、米デジタルシアターシステムズが開発した、マルチチャンネル方式のデジタル音声システムのことです。DTSでは、5.1チャンネルの帯域を使用して、臨場感のあるサウンドを再現することができます。もともとは劇場用のサラウンドシステムとして開発されたもので、DVD-Videoでも採用されています。
DTSと同様に5.1チャンネルのドルビーデジタルのシステムと比べると、DTSの音声データは低圧縮(1/4)の可逆圧縮ため、音の再現性に優れており、原音に近い音質を保てます。
その反面、より多くのデータ容量を必要とし、コスト面では割高になります。
リニアPCM (Linear Pulse Code Modulation)
リニアPCMとは録音した生の音声データの音声方式です。圧縮されていないためデータ量が大きいので2チャンネルが主流です。音楽CD(CD-DA)のデータはリニアPCM方式を採用しています。他にDVDオーディオ、一部のDVD-Videoで用いられる音声方式の一種です。非圧縮音声なので音質の劣化やダイナミックレンジの低下がありません。
5.1チャンネル
5.1チャンネルとは、6つのスピーカーによって聴く人を取り囲むように音を再生する音響の構成のことで、音の立体感が増し、臨場感のある音響を楽しむことができます。20Hz~20kHzの帯域のステレオスピーカーを前方正面、前方左右、後方左右に配置します(5チャンネル)。これに加えて中低音を強化するために120Hz以下のサブウーファーを置きます。サブウーファーは帯域幅が制限されるため通称で0.1チャンネルと数えられます。合計で5.1チャンネルとなります。