容量の問題。DVD-5とDVD-9 今後はブルーレイの流れ。

厚さ0.6mmのディスクを2枚貼り合わせた構造になっているDVDディスク

DVDは厚さ0.6mmのディスクを2枚貼り合わせた構造になっています。情報を記録する部分として記録層を1つだけ持っているタイプと二つ持っているタイプがあります。

DVD-5は片面1層式とも呼ばれ、記録層を1つ持つディスクと記録できないダミーディスクを貼り合せて作られおり、4.7GBのデータを記録できます。

DVD-9は片面2層式とも呼ばれ記録層を2つ持つディスクと記録できないダミーディスクを貼り合せて作られており、8.5GBのデータを記録できます。先に記録される層をレイヤー0(L0)といい、後に記録される層をレイヤー1(L1)といいます。

そのほか両面1層式のDVDは記録層を1つ持つディスクを2枚貼り合せて作られており、9.4GBのデータを記録できます。また両面2層式のDVDは記録層を2つ持つディスクを2枚貼り合せて作られており、17GBのデータを記録できます。

これらの2層式のDVDも、昨今主流になりつつHD画質の録画になると容量的にも厳しく、今後は大容量高画質を求める場合に、ますますブルーレイディスクへと移行していくと思われます。弊社ではブルーレイディスク、DVD-9のプレスも受け付けております。お見積り、ご不明な点などございましたら遠慮なくお問合せください。ブルーレイはハードディスクでの入稿、DVD-9のマスター入稿の際はDLTテープでの入稿をお願いしております。

デザイナーのおさらい。オフセット印刷、簡単な仕組み

今回は印刷方法の中でも最も一般的な印刷方法であるオフセット印刷について説明します。

オフセット印刷は写真やグラデーションの再現性に優れているためCD DVDのジャケットや帯などもオフセット印刷で印刷しています。オフセット印刷とは凸版や凹版とは違って平らな版を使い、水と油の反発する性質を利用した印刷方法です。

製版段階

簡単にいうと、刷版にインキが付くところと付かないところを作って、インキを付けたいところを油性にして、インキを付けたくないところを水性にします。こうすると、インキは油性なので油性部分にしか付きません。

そしてこの刷版についたインキを転写して紙に写します。

印刷工程

この工程はまず刷版にインキを付け、その刷版の油性部分に付いたインキ部分だけををブランケットと呼ばれるゴムの層に転写し、それを紙に写します。紙が直接版に触れないためどんな用紙ににも適合する印刷方法です。

オフセットの限界

オフセット印刷は網点の組み合わせの濃度によって写真やグラデーションなどを表現するため多色刷りが非常にきれいに仕上がり、カタログやチラシなどあらゆる商業印刷物にひろく利用されています。プロセスカラーはCMYKの4色の組み合わせで、基本的に多くの色を表現できますが、限界があり、微妙な色のバランスで指定色とは違った色が出てしまう場合もあります。ロゴマークやコーポレートカラーなどイメージカラーがある場合は、あらかじめインキ会社でインキを混ぜ合わせて作った特色インキを利用することが多いです。

特色を指定するDICカラーチップを広げたところ

デザイナーなら抑えておくべき。 スクリーン線数、解像度、画素数・・

CMYKで印刷されたオフセット印刷物を拡大したところ、網点が見える状態

印刷物は拡大すると小さな網点(点)の集まりであることがわかります。大小の網点を並べることによって画像を表現しています。

カラー印刷は通常C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインキから成り立っていますが、各色の網点をただ重ねるだけだと互いに干渉しあってモアレという縞模様がでてしまいます。そのため各色の並ぶ方向に角度をつけて、互いに干渉しないようにします。この4色の細かい点のバランスでフルカラーの印刷物が表現されます。使用する用紙によって違いはありますが、この網点を小さくすればするほど印刷された画像は高画質(高解像度)で再現されることになります。この網点の細かさを表す単位をスクリーン線数といいます。

スクリーン線数

スクリーン線数とは1インチに並ぶ網点の数のことをいい、単位はlpi(line per inch)・線であらわします。線数が高いほど肉眼での網点が目立たなくなり高画質な印刷物になります。逆に線数が小さいと網点が目立つようになり、粗い印刷物になります。

一般的な印刷物では175線が多く使用されます。スキャニングで画像入力する時に画像解像度を決める際にも出力線数を考えて決めます。画像解像度が低いのに出力線数だけを高くしても画像はきれいには見えません。一般的にカラー印刷物は出力線数の2倍くらいの画像解像度が適切なので175線の2倍の350dpiが適切です。必要以上に解像度を上げても出力線数を高くできなければ品質は良くならず、無駄にファイルサイズが大きくなってしまいます。スクリーン線数と解像度は印刷物の品質を決める大きな要因になります。

dpiはdot per inchで、1インチ当たりのドット数を表します。lpiと意味合いは近いですが、lpiは印刷線数に用い、dpiは画像の解像度に用います。
またppi (pixel per inch)という単位もありますが、dpiとほぼ同義に使われますが、dpiは印刷物の解像度、ppiは液晶そのものの画素数を表すことが多いです。Photoshopではppiが使われています。

ちなみにスキャンニングを行う場合は実際使用解像度350dpiの2倍ほどの、700dpi程度でスキャンするのがお勧めです。

間違えやすい! マスターCDの取扱方法・注意事項

使用メディアについて

オーディオCDの場合レコーディング、トラックダウン、マスタリングが終わるとCDプレス用のマスターを作ります。マスターCD-Rを作るためにはまずメディアを必要です。最近のCD-Rでは、基本どこのメーカーのCD-Rでも構わないのですが、やはり国産の有名メーカー製のものを使用してると安心です。太陽誘電製のCD-Rが品質的にも安心して使用できるのでお勧めです。値段は張りますが、マスター専用のCD-Rなどもありますので一度使ってみてはいかがでしょうか。

※マスターDVDを作る場合に、海外製超格安メディアを使用するとエラーが発生することが多いですので注意が必要です。

ディスクアットワンスでの書き込み

書き込みの際の注意点ですが、まず最も注意しなければいけないことは、CD-Rの書き込み方法です。ディスクアットワンスで書き込みを行ってください。トラックアットワンスやセッションアットワンスなどはエラーの原因になります。ディスクアットワンスとは1回の書き込みですべてを完成させる書き込み方法で、ディスクアットワンスで書き込んだCD-Rは追記することができません。

もし曲を追加して書き込めたりする場合はそのマスターCD-Rはプレス用のマスターCD-Rとして使うことはできません。再入稿をお願いすることになります。

マスターCDの書き込み速度について

iTunesのディスク作成設定画面で書き込み速度を設定しているところ

書き込み速度については、メディアとドライブの相性があります。必ずしも低速で焼いたほうがエラーが発生しにくいということはないようです。ただし、通常はソフト側の都合でできませんが、メディアの対応速度を超える速度で焼くのは厳禁です。

書き込み速度を気にするよりかは、書き込み終わったマスターCDのチェックをしっかりとやることの方重要です。

マスターCDの取り扱い

このようにしてマスターCD-Rができあがりましたが、CD-Rのレーベル面にタイトルを書く場合は先の柔らかいペンで書いてください。データ破損やエラーの原因になりますので先のとがったボールペンなどでは書かないでください。CD-Rはデータ面よりも盤面の方が傷に弱いです。

後は、CD-Rが傷つかないように、ケースに入れてしっかり梱包し弊社宛に送ってください。弊社でマスターCD-Rを確認いたします。そして問題がなければCDプレスの工程に進むことになります。

マスター作成の注意事項を簡単に説明させていただきましたが、ご不明の点などございましたら弊社までご遠慮なくお問合せください。

必ず必要!マスターCDの書き込み方法(ディスクアットワンス)

ライティングソフトnero(ネロ)のディスクアットワンス設定画面

CDプレスのマスターCD-Rの書き込みはディスクアットワンスで書き込む必要があります。

このディスクアットワンスは、1回の連続した書き込みで1枚のCDの書き込みを完了してしまう書き込み方法です。追記はできません。

以前、セッションが分かれたマスターCD-Rの入稿されたお客様がいらっしゃいましたが、追記可能な状態のCD-Rだったため、ディスクアットワンスでの再入稿をお願いしました。

ディスクアットワンスの方式で書き込まれたCDは、セッションが1組しかないためシングルセッションといいます。1度の書き込みにつき1組のセッションが書き込まれるセッションアットワンスや、1度の書き込みにつき一つのトラックが書き込まれるトラックアットワンスなどでは、追記が可能で、セッションを複数に分けることができます。そのためマルチセッションと呼ばれています。

マルチセッションに対応していないCD-ROMドライブなどで再生した場合、最初の1セッションだけしか読み出せないこともあります。ここ数年、最近のドライブではそのようなことはありません。

印刷インキについて ~インクとインキ、どっち?

印刷する際のインキ種類

印刷には様々な方式や印刷機があり、それぞれに対応するインキが必要になります。印刷は版式によって凸版、凹版、平版、孔版に大のできく分けられます。インキも版式による分け方でいうと活版インキ(凸版)、平版インキ(平版)、スクリーンインキ(孔版)などと呼ばれます。用途によるわけ方では新聞インキ、ポスター用インキなど非常にたくさんの種類があります。また製造方法によるわけ方では水性インキ、熱乾燥インキ、紫外線硬化インキなどがあります。また特殊なインキでは磁気を検出して文字を読み取る磁性インキ、香りをだす芳香ニスインキなど数多くあります。

環境を重視したインキ

現在一般的に使われているインキは、石油系溶剤が含まれているものがほとんどですが、SOYインキといって石油系溶剤の一部にまたは全部に大豆油を使用したインキが使われることが増えています。石油系溶剤を使った一般的なインキよりも、環境にやさしく、分解されやすいのでリサイクルしやすいというメリットがあります。印刷の品質も一般のインキを使った場合とほとんど変わりません。乾燥時間が一般のインキよりもかかるデメリットはありますが、昨今の環境意識の高まりから、今後はSOYインキに移行することは間違いないでしょう。

インクとインキ

インクとインキ、どう違うか悩まれることがあるかもしれませんが、答えは単純です。
主に商業印刷ではインキと呼ぶ方が多いです。一方、個人使用やそれに近いのものはインクと呼ばれることが多いです。

基本的なインキで印刷された印刷物が印刷機から出てくるところ

海外プレスのメリット・デメリット 品質について~

海外プレスのCD、DVDを輸送する飛行機の風景

いつも国内でCDプレスを行っているお客様から、「国内プレスから海外プレスに変更することは、納品に時間がかかるし、品質の保証もなく、リスクが伴うので難しい」というご意見を聞くことがありました。

一部、誤解されている所もありますので、弊社の海外プレスのメリット、デメリットについて説明させていただきます。

納期について

まず納期ですが、国内プレスが早くて海外プレスは遅いというのは最近では当てはまりません。弊社の場合、納期優先でご発注をいただけば、DVDは最短で4営業日後の発送が可能です。4営業日など超短納期をご希望される場合、あらかじめ工場とスケジュールを合わせるために予定を入れておく必要がありますが、海外プレスも短納期に対応できると考えております。

ただしデメリットとして通関の問題がございます。弊社の実績ベースで言いますと1%以下ですが、まれに通関で+1日ほどかかる場合があります。通関の対応次第で弊社の力ではどうしようもないのが実情です。お客様にご迷惑をお掛けすることがございます。その場合もできるだけご迷惑をお掛けしないよう、弊社の方で納期に余裕を持ったり、空港まで行くなど出来る限りの対応はとらせていただきます。

品質について

次に品質ですが、国内プレスが良くて海外プレスの品質が劣るということは一概には言えません。一部の海外プレスで品質の悪い工場も存在し、不信感を持たれる方もいらっしゃるのは事実ですが、弊社ではISO9000取得工場で生産しておりますので、国内プレスの品質と同等の品質をお約束いたします。

料金について

弊社の海外プレスの場合スタンパー料金は無料です(プレス代に含まれています)。国内プレスでは通常スタンパー料金がかかります。

一般的な料金についてはもちろん海外プレスの方が安い場合が多いです。

それでも海外プレスが適さない場合もございます。

弊社としましてはお客様のご要望に応じて、海外プレス、国内プレスをお勧めいたします。
ご要望によっては国内プレスの方が適してる場合もございます。

ホームページ掲載商品は海外プレスのみですが、弊社がお客様に満足していただける商品を提供できたら考えております。

デザイナー必見。印刷の基本的に知識について

CMYKとRGB

Adobeイラストレーター(Illustrator)のRGBとCMYKのカラーパレット

RGBとは光の3原色であるRed、Green、Blueの頭文字をとったものです。それぞれの光の強弱を組み合わせることにより、ほとんどの色(可視光)を表現することができます。テレビやパソコンのモニターの表現がこのRGBとなり、白はRGBはすべての色を混ぜ合わせた色になります。

CMYKとは印刷色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローとキー(黒)の4色の頭文字をとったものであり、これらの濃淡やインキの混ぜ合わせにより様々な色を表現することができます。印刷物などの表現がこのCMYKとなります。CDの付属品などの印刷物のデータ作成はCMYKでお願いします。CMYをすべて混ぜ合わせると黒にちかいグレーになります。CMYを混ぜ合わせた黒とBkの黒インキではとでは色味は違います。

CMYKはフルカラー印刷と呼ばれますが、光とは違いCMYKで表現できる色の範囲は限られています。

トンボ

印刷物の断裁位置を指示するためのトンボ

トンボとは、断裁位置を指示するためや、折り・ミシン目・スジ入れ加工の指示のために使用する印のことを言います。印刷現場ではトンボは各色版の見当合わせに使用します。断裁位置を指示するためのトンボは通常4隅と上下左右のセンターにつけます。デザインデータ作成の際は忘れずにお願いします。

塗り足し

断裁位置に対して3mmの余裕を持たせた、塗り足しとトンボの説明図

塗り足しとは、断裁して印刷物を指定のサイズに仕上げる際に断裁位置がずれても用紙の白(紙色)が出ないように、若干大きめに作る余裕部分のことを指します。通常塗り足しの幅は3mmですが、印刷物によっては2mmなど様々です。断裁位置がずれる原因としては、温度や湿度の変化のほか、多くの用紙を重ねて一度に断裁するため用紙ごとの小さなずれなどにより発生します。断裁位置が用紙の外側にずれた場合を考えてデザインをするのが塗り足しですが、内側にずれた場合も考えなくてはいけません。(余白)

断裁付近3mm程度は文字や切れてはいけない絵柄を配置しないようにするのが安全です。

弊社で行うDVDオーサリングについて

DVDオーサリング

お客様からのお問合せでDVDオーサリングに関する対応や価格についてもお問い合わせいただくことがありますが、DVDオーサリングとは編集の終わった複数の映像と音声や文字などを編集してメニューボタンで連動するようにメニュー画面などを制作して一本のDVD-video(ある意味ソフトウエア)を作ることです。市販のDVD-Videoを見てもとてもうまく作られたものや動きのあるものや単純なものなど様々なDVDがあります。

scenarist(シナリスト)を使いオーサリングをしている様子

家庭用のDVDレコーダーやパソコンでも同じようなことはできますが、弊社行うオーサリングは業務用オーサリングソフトとしてScenaristを使用します。お客様の目的や用途に合わせて使いやすいメニュー画面やDVD独自の機能を使ったオーサリングなど、お客様のご要望にお応えできる提案をさせて頂きたいと考えております。

DVDプレスと伴わせてオーサリングも承っておりますのでよろしくお願いいたします。ご不明なことがございましたら遠慮なくお問合せください。価格に関しましてはオーサリングの仕様や長さや入稿形態によっても変わってきますので見積りの際に担当までお問合せください。オーサリング済みマスターDVD-Rで入稿した場合はデータ確認後、プレスにかかりますがオーサリング作業がある場合は、オーサリング終了後に検証盤DVD-Rでお客様にて全編を確認していただき、OKをいただいてからプレスの工程へと進ませていただきます。

ちょっと難しい、専門的な印刷用紙の種類について

平版と巻取

印刷用紙は平版と巻取の2種類に大きく分けられます。平版とは1枚ずつ断裁された用紙で、巻取はロール状に巻かれたもので印刷機の種類によって使い分けられます。巻取は新聞や折込チラシなどの輪転印刷機による印刷の際に使用します。それ以外の場合は平版を使用します。CD DVDプレスの際のジャケットや帯などの付属の印刷物もすべて平版の用紙を使用します。

塗工紙と非塗工紙

弊社で用意している上質紙135kgとコート紙135kgの紙サンプルの比較

印刷用紙は材質別の分類として非塗工紙と、非塗工紙の表面に顔料を塗って滑らかにした塗工紙と分けられます。非塗工紙は書籍の本文用紙や新聞用紙やコピー用紙、ノート用紙などに使われ、品質別に上質紙・中質紙・更紙に分けられます。

塗工紙は上質紙と中質紙をベースに片面または両面に顔料を塗って光沢を出したもので、塗工量の多いものからアート紙・コート紙・軽量コート紙・微塗工紙に分けられます。カタログやパンフレットやポスターなど多く使用されております。

CD DVDプレスの付属印刷物もカラー印刷に適しており写真の再現性も優れているコート紙を使用しています。他の用紙を使用することも可能ですが、特別な用紙を使用した場合など印刷の価格は用紙によって変わる場合がありますので、見積りの時にお問合せください。

再生紙

再生紙とは木材パルプに古紙をを配合して製造された紙のことで配合率は1%から再生紙と呼ぶことはできます。また再生を繰り返せば紙の強度は弱くなります。紙の古紙配合率や品質を表すものでエコマークというのがありますが、エコマークを使うには古紙の配合率が70%以上でないと使うことができません。

再生紙が本当に環境に良いとはいえない面もあります。木材パルプから新しく作られる紙と古紙から作られる再生紙とでは製造工程が異なるため、製造過程のCO2の排出量は再生紙の方が多くなります。また配合率が高くなるほどCO2の排出量が多くなります。紙製品をすべて古紙100%にすることが環境にいいとはいえませんが、紙には様々な種類があるので、それぞれの使用目的に応じた美しさや強度を考えながら古紙の配合率を考え環境への影響を考慮して生産することによって再生紙は環境にやさしい紙ということができます。

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