印刷物は拡大すると小さな網点(点)の集まりであることがわかります。大小の網点を並べることによって画像を表現しています。
カラー印刷は通常C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインキから成り立っていますが、各色の網点をただ重ねるだけだと互いに干渉しあってモアレという縞模様がでてしまいます。そのため各色の並ぶ方向に角度をつけて、互いに干渉しないようにします。この4色の細かい点のバランスでフルカラーの印刷物が表現されます。使用する用紙によって違いはありますが、この網点を小さくすればするほど印刷された画像は高画質(高解像度)で再現されることになります。この網点の細かさを表す単位をスクリーン線数といいます。
スクリーン線数
スクリーン線数とは1インチに並ぶ網点の数のことをいい、単位はlpi(line per inch)・線であらわします。線数が高いほど肉眼での網点が目立たなくなり高画質な印刷物になります。逆に線数が小さいと網点が目立つようになり、粗い印刷物になります。
一般的な印刷物では175線が多く使用されます。スキャニングで画像入力する時に画像解像度を決める際にも出力線数を考えて決めます。画像解像度が低いのに出力線数だけを高くしても画像はきれいには見えません。一般的にカラー印刷物は出力線数の2倍くらいの画像解像度が適切なので175線の2倍の350dpiが適切です。必要以上に解像度を上げても出力線数を高くできなければ品質は良くならず、無駄にファイルサイズが大きくなってしまいます。スクリーン線数と解像度は印刷物の品質を決める大きな要因になります。
dpiはdot per inchで、1インチ当たりのドット数を表します。lpiと意味合いは近いですが、lpiは印刷線数に用い、dpiは画像の解像度に用います。
またppi (pixel per inch)という単位もありますが、dpiとほぼ同義に使われますが、dpiは印刷物の解像度、ppiは液晶そのものの画素数を表すことが多いです。Photoshopではppiが使われています。
ちなみにスキャンニングを行う場合は実際使用解像度350dpiの2倍ほどの、700dpi程度でスキャンするのがお勧めです。