オーバープリントとトラッピング

現在では印刷機の性能の性能向上や技術の向上により印刷時に発生する物理的な精度の誤差は少なくなってきました。
しかし、紙の伸縮や印刷中の紙の移動によっておきるブレ、または印刷機に取り付けられた刷版の見当あわせの精度によって、版が異なる箇所で隙間が出てしまうことがあります。そのような隙間の発生を避けるためにトラッピング処理やオーバープリント処理をします。

トラッピング処理

トラッピング処理とは多色印刷時の紙の伸縮や見当ずれにより色の境界部分に下地(紙の色)などが現れてしまうことを防ぐために、隣接する一方の色を太らせて色を重ねることをいいます。隣接した色のどちらの面積を広げるかは印刷する絵柄や色の濃度によって変わってきます。

隣接する色で、暗いほうを太くする(広げる)トラッピングをチョークトラッピングといいます。
逆に明るい方を太くする(広げる)のをスプレッドトラッピングといいます。
またトラッピングは見当ズレを目立たなくする技術ですが、見当ズレを修正する物ではありません。

オーバープリント

オーバープリントとは完全に色を塗り重ねてしまうことをいいます。
特に小さい文字・オブジェクトのノセ処理でのズレの回避は必須と言えます。
一般的に4色フルカラー印刷の場合、ブラック100%のオブジェクトは印刷所の設定で自動的にオーバープリント処理(ノセ)されます。
ただし印刷インキは半透明になっているのでオーバープリントのようにノセ処理をする面積が広かったり色を重ねてしまった場合下にある色の影響を受けてしまいます。

@akifumi_t


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